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原作:赤坂アカ 作画:横槍メンゴ 漫画【推しの子】137話「喧嘩」 感想(本編内容引用)
【目次】
こんなのはアイじゃない
弱い自分を覆い隠すような大きな嘘をついた結果、人の醜い欲望を詰め込んだような存在『偶像』にさせられた星野アイ。
心がある人間として扱わずそういうものだと理解を放棄し、星野アイという個人の存在を認めなかった人たち全員に対して「ママをそんな偶像にしたのはお前らだ」と目で語るルビー。
アイドルを日本語に訳すと「偶像」「崇拝の対象」ですから、正に本当のアイドルとなった星野アイ。
映画『15年の嘘』を見た当時のファンや関係者はどう思うのか。
『一番星のスピカ』でアイは人気になり宗教ができて神・星野アイになれると豪語していたので、その様な思考に至ってしまったのも周りの人間の所為なのかも。
それから、「どんな人間も深く愛し裏切らない」のところで歯の溶けたオタクを写すのはかなり危険ですね。大丈夫でしょうか。
歯の溶けたオタクといえば、OPテーマ「アイドル」に「アイ!アイ!アイ!」か「オイ!オイ!オイ!」と言っているコールのようなものがあるのですが、「アイ!」であれば宗教感が増しますね。
母を偶像にしたのは親や周りの大人、友達(ニノたちB小町メンバー)に加えて、ルビーやアクアもだと思います。
「ママをそんな偶像にしたのはお前らだ」と目で語ったルビーですが、中身(前世)はアイを応援していたアイドルオタクなため、アイの一番近くにいた肉親でありながら他の人の様にアイへ欲望を押し付けて偶像崇拝していた当事者なので複雑な気持ちになりました。(処女受胎と決めつけたり)
しかし、当時は欲望を押し付けた発言の「(ママ・星野アイは)処女受胎に決まってるでしょ 男なんて最初から存在してない」が、実は体外受精でアクアとルビーが産まれたことへの伏線だった可能性もありますね。
アイを追い詰めた旧B小町メンバーやカミキヒカルを断罪する映画だと思っていましたが、芸能界の大人たち、ファンといった星野アイという個人の存在を認めなかった人たち全員を断罪する映画になるのであれば、その人物たちが罪に問われることはありませんがどのような結果になるのか注目です。(この展開ですとルビーも断罪されます)
アイを演じたルビーの台詞「嫌い 皆嫌い 私なんか悪い事した?」はアクアが書いた台本には無かったものですが、ルビーのセリフを聞きそして目を見たアクアの反応が描かれなかったのが不吉。次回以降描かれるのでしょうが、本当の母・アイを知らなかったアクアは絶望しますね。
アイからカミキヒカルへの言葉「ごめんね 私は君を愛せない」もどうなるのか…。
ルビーの演技を見た壱護は「アイが胸に秘めてた孤独は多分もっと…」と呟き、それを聞いた鏑木が同意。
短い間で成長したルビーとそれを引き出した有馬かな(重曹ちゃん)に注目。
有馬かなの知名度を高めるため、彼女を『天才役者』として売るべきだと言う鏑木。
売り方は大事ですが、『天才役者』として売るとかな本人が嫌がりそうですが大丈夫ですかね。
これでかなが役者として開花し目が星になって、片寄ゆらの様にカミキヒカルから狙われなければいいのですが。
鏑木勝也プロデューサーがカミキヒカルの協力者であれば、才能を開花させてカミキヒカルに殺させるので、「彼女(有馬かな)を天才役者として売るべきだ」と言ったのもこの為なのかも…。アクアの大切な人を奪って弄ぶ黒幕の1人かもしれませんね。
壱護社長は旧B小町メンバーからアイへのいじめを止めていましたが、アイの心の奥底までは探っていませんでした。近しい存在であった自分に本当の感情を見せなかったのはショックでしょうし、生きているうちにもっと何かしてあげられなかったのかと後悔しているのでしょう。
ミヤコさんは何も知らなかったようで驚いていましたね。
私は私
一旦の撮影終わりに話すルビーとかな。かなから向けられた嫉妬などの感情で本当に怒り、母の気持ちに気付き、人間の本質を理解したというルビー。(浅い)
自分はずっとママ(星野アイ)みたいなアイドルを目指して頑張ってきたが、母とは違い友達とずっと仲良しで居たいし自分の気持ちに素直で居たいから、「私は私のままスターになる」「私はママみたいにならない」と宣言するルビー。
そして、ママみたいに友達を諦めたりせず、先輩(かな)が私(ルビー)をうざがろうとしつこくつきまとうから「覚悟してね」と伝えました。(※ストーカー宣言ではありません。)
かなが「大事な友達を失うとしても」と覚悟して演技に臨みましたが、アイとニノの様な結末を迎えず無事にルビーとかなは和解しました。
よかった。
小説『45510』ではアイがたかみー(高峯)、ニノ(新野冬子)、めいめい(渡辺)に対して「仲直りがしたいです。」とブログに綴っていました。
アイはこの様に本当の気持ちを隠していましたが、ルビーは母とは違い「自分の気持ちに素直で居たい」と母とは違う道を選び、友達とずっと仲良しで居たいためかなと仲直りしました。
母の事は思いながらも親離れができたのかなと思います。
唯一無二
ルビーの前世・天童寺さりなと星野アイは親から捨てられたという共通点がありますが、嘘を吐かず自分の気持ちに素直でいるとアイとは違う道を選んだルビー。
アイの真似をしたままであれば消えていく可能性がありましたが、ここから成長した彼女は、みんなが勝手に想像していたアイの様な最強で無敵のアイドルでは無いが“唯一無二の輝きを放つ本物のアイドル(スターつまり一番星)”になると思います。
132話で映画撮影の偵察に来たニノが「アイは唯一無二の存在で金輪際現れたりしないんです。本当に安心しました。」「アイを超える存在なんて娘だとしても絶対に許せないですもんね。」とカミキヒカルに話していました。
しかし、成長したルビーを見て、アイとは違った唯一無二の存在となり、いずれアイを超える存在になると考えてしまったニノがルビーを消しにくる可能性があります。
あかねの推理とアクアのマッチョパワーで阻止してほしいです。
星野アイという個人を尊重せず欲望を押し付け偶像崇拝していた立場でしたが、今回の演技で欲望を押し付けられる側の気持ちを理解できました。
しかし、「自分の気持ちに素直で居たいから 私は私のままスターになる 私はママみたいにならない」とアイの一番近くにいた肉親でありながら他者同様の悪い行動をしたことを反省しているのか分からない発言があったので人としてどうなのかと思ってしまいましたが、アイを傷つけた過去も背負ってスターになるという意味もあるのかもしれません。
気になるのは母・アイの様に他者から欲望を押し付けられた時の対処法。
「自分の気持ちに素直で居たいから」と言っているので「お前は出禁だ!」とか「気持ち悪いから去れ!」と言うのでしょうか。ドMなオタクからは熱狂的に支持されそう。
アクアの復讐が失敗?
ルビーは今回の演技で母・アイの気持ちを理解し偶像崇拝をやめましたが、アクアは現在も偶像崇拝したままだと思われます。
前に進んだルビーに対して、アクアは「君の本当の願いを僕が叶えてみせる」とアイのお墓の前で言っていたのに係わらず母・アイのことを理解できていなかったので絶望するのでしょうか。
「ごめんね 私は君を愛せない」とアイの残した言葉はアクアはカミキミカルの本質を見抜いたアイからの“決別の言葉”と想定したアクアとルビーでしたが、母・アイの感情を理解してきたルビーから先程の台詞も含めて「その解釈は違う」と指摘されるはずなので、「ごめんね 私は君を愛せない」の意味が本当はアイからカミキヒカルへの愛の言葉だとすれば、アクアがカキミへの復讐を目的として作った映画『15年の嘘』の意味が無くなります。
映画の存在を知りながらも撮影を妨害してこないのもカミキヒカルがこの真実を知っていて、アクアの復讐は果たせないと思っているのでしょうか。
「価値ある君の命を奪ってしまった僕の命に重みを感じる」という猟奇殺人鬼なので、映画『15年の嘘』でスターになったルビーを片寄ゆらなどと同じ様に殺す可能性があるので今は妨害してこない可能性もあります。
そもそも、映画ではカミヒキカルという役ではなく少年Aという役なので、自分(カミキ)とアイの関係を知る者以外が映画を見ても問題無いと判断したのかも。関係を知る者は既に協力者か協力者にするか、消すかすればいいでしょうし。
かなり怪しい鏑木勝也がカミキの協力者という可能性もありますが、それだとこの映画を引き受ける訳が無いので鏑木はカミキとは協力関係に無いと思います。
ルビーは『15年の嘘』は星野家が過去と決着をつけて過去に囚われず前を向いて未来に進む為のものと認識していましたが、母の気持ちを理解した今は別の想いで演技に臨んでいるのでしょう。
アクアはルビーのために犠牲になろうとしていますが、ルビーがアクアを救う展開だとうれしいですね。
うさぎの着ぐるみ
この言葉が嘘だったらと怖くて言えませんでしたが、「この言葉は絶対嘘じゃない」と安心して亡くなりました。
偶像
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ネタバレ
コメント
>「ママをそんな偶像にしたのはお前らだ」
〈アイの本当の気持ち〉に気づいたとき、ルビーは自分を省みてどう思ったのでしょうか?
実の娘なのに、何年も一緒に暮らしていたのに、自分は身勝手な欲望を押し付けるだけで“星野アイ”をわかろうともしなかった。ときには処女受胎だなんだと世迷い言を口にしたりして。
おそらくは後悔や羞恥、罪悪感を覚えたのではないかという気がします。
>「まだまだですよ。アイが胸に秘めてた孤独は多分もっと…」
元社長はこの言葉をどんな思いで口にしたのでしょうね。
はっきり言ってこの人が旧B小町の舵取りをうまくやれていたら──最低でもアイ以外のメンバーひとりひとりともっと向き合うぐらいはすべきだった──取り返しのついたことはたくさんあったはずですよね。
でもまあ、土壇場で一切合切をミヤコさんに押し付けて逃げるような男には無理な話か。