本話掲載本誌
原作:赤坂アカ 作画:横槍メンゴ 漫画【推しの子】130話「基本戦術」 感想
今回は俳優初挑戦のMEMの裏側が描かれました。
なんと言うかちょうどいい距離感ですよね。
そして気になるアイからアクアへ贈られたDVDの内容が少しだけ公開。
アイが15歳になったアクアへ語るのは“君たちのお父さんのお話”と“私から大人になった君たちへのお願い”
精神状態が心配です。
アイからアクアへ贈られたDVDの内容予想
双子の父親・カミキヒカルについて
収録されている内容が“父親の話”と“アクアルビーへのお願い”ですが、「別れた父を恨まないで」とアイが語った可能性があります。
“父親の話”と“アクアルビーへのお願い”を連続で聞くと、「自分が死んだ場合殺した犯人は双子の父親だから復讐してほしい」と連想しますが、アイは殺されるとは思っていないのでこの2つについては無関係と考えているはずです。
アイは殺される直前に双子の父親(カミキヒカル)に電話をしていましたが、そもそもカミキヒカルから殺されると分かっている上での会話内容では無かったので、父親については「父親はカミキヒカルという人で彼に出会った経緯と別れた理由」を語ると思います。
アイがカミキヒカルと出会い恋をした(?)のは15歳ですが、なぜ15歳のアクアとルビーに宛てたDVDなのかをカミキヒカルとの出会いを絡めて語られているはずです。
大人になったアクアルビーへのお願い
アイは自分が殺されることを予想してメッセージを残した?
大人になったアクアルビーへのお願いは、「自分が近いうちに殺さる可能性があるが、犯人に復讐しないでほしい」そして「犯人やカミキヒカルを救ってほしい」と言うメッセージだと予想します。
アクアの言動からは、アイは子供がいたことをファンや芸能界に隠して活動していたので嘘をつかれた恨みで誰かに殺されると予想してアクアとルビーにDVDを残したように描写されていて(その代償がいつか訪れるとしても、とアイは実際に想像していました)DVDを見たアクアは犯人に復讐するため映画を作っていますが、DVDに収録されているアイからのお願いはそれとは正反対で「犯人に復讐しないで」というものだと思います。
アイはドームライブ後に殺されることを予想していた?
恐らく亡くなった日のドームライブで「アクアとルビーは自分の子供だ」と公表する予定だったと思います。それによって恨みを持ったファンによって殺される可能性が高いので直前にDVDへ記録したのでしょう。(秘密主義と暴露欲求はこれに繋がりますね。)
自分の嘘で傷ついてしまった人から殺されると予想してDVDを残したのであれば、「自業自得だから犯人に復讐しないで」とアクアとルビーにお願いしているのでしょう。(アクア宛てのDVD)
ただ、自分が殺されることを予期した遺書のような物を15年後の子供に託すとは思えないので、星野アイは自分が殺されることを予期しておらずカミキヒカルと和解することを子供達に伝えたのではないでしょうか。
15年後ですと星野アイは30歳を過ぎてアイドルを引退し別の道へ行き、その際にカミキヒカルとアクアルビーのことをファンや世間に公表するつもりだったのかもしれません。
カミキヒカルも含めて家族全員で生きることの手助けをアクアとルビーにお願いしていたことをDVDに収録したのでしょう。
カミキがアイを殺害した理由
カミキがアイを殺した理由は、「ごめんね 私は君を愛せない」と拒絶されたから。
カミキはアイを愛していたが拒絶されたため殺害。
しかし、アイはその言葉が原因で殺されるとは思っていなかったのでドアチェーンをしていたなかったのかも。
もしくは、アイは殺害された時にカミキが来訪すると思ってドアチェーンをしていたなかったのか。(住所を知っているのは斉藤壱護やミヤコさん、そしてアイが教えたカミキのみなので気を付けていなかった)
もし、自分を殺した相手がカミキだと分かっていればアクア・ルビーへ復讐をお願いした可能性もありますが、アイはその様なことは知らないので、アクアがアイを殺した相手に復讐するのを目的として作った映画『15年の嘘』はアイの意思に反する作品となります。
やはりDVDの内容はカミキヒカルへの復讐ではありません。
五反田監督によれば「ごめんね 私は君を愛せない」は決別の言葉ではないので、映画『15年の嘘』を見てアイが自分を愛していたと知り、殺してしまったことを後悔するのでしょう。
「ごめんね 私は君を愛せない」の意味については後述。
アイからアクアルビーへの忠告が収録?
「大人になったアクアルビーへのお願い」の内容が「犯人に復讐しないでほしい」という内容で無いとすれば、15歳で恋をした相手・カミキヒカルが実の弟だと後に発覚して別れたので、アクアとルビー同士で恋をしてダメだと忠告する内容の可能性もります。
アイからカミキヒカルへの言葉「ごめんね 私は君を愛せない」の意味は姉弟なので倫理的に愛せないということなのかも。
いや、この予想もハズレかも。
バラの本数と花言葉
本作で印象的なバラ(薔薇)
・8話でリョースケ(貝原亮介)がアイに渡した白いバラ(薔薇)
白いバラの花言葉は「純粋」「純潔」「深い尊敬」「相思相愛」「私はあなたにふさわしい」ですが、折れている場合は「純潔を失い、死を望む」という花言葉があります。今回は後者の意味で贈ったのでしょう。
黒川あかねの推理ではリョースケへ殺人教唆をしたのはカミキヒカルとされています。
リョースケがアイを刺した後に「アイドルのくせに子供なんて作るから…!ファンを裏切るふしだら…っ」と言ったのも、カミキヒカルがリョースケの気持ちを聞いて彼にこのバラを買うよう伝えたのかも。
バラの数が10本の花言葉は「あなたは完璧な人」ですので、アニメのOPテーマ・YOASOBI「アイドル」の歌詞通りカミキもアイのことを「完璧で究極のアイドル」と思っていたのでしょう。
・72話でカミキヒカルが星野家のお墓に供えた白いバラ
カミキヒカルが星野家のお墓に白いバラを持って現れた時に「星野ルビー。美人に育ったね。流石君と僕の子だ」と言っていますが、バラの本数は8本で、花言葉は「あなたの思いやりに感謝します」になりますがアイへの気持ちとリンクしませんね。
本数は関係無く白いバラの花言葉「深い尊敬」がカミキからアイへの気持ちなのかも。
・96話でカミキヒカルが黒川あかねに贈った白いバラ
サブタイトルが「白薔薇」
黒川あかねが星野アイのように目が星になって俳優として大活躍。見事新人俳優賞を受賞しました。
その後にあかねがアクアと見間違えた人物がカミキヒカルですが、劇団ララライのOBであるカミキがあかねに贈った白い薔薇は11本でした。
その花言葉は「最愛」
プロポーズの様ですがカミキヒカルがあかねの父親である可能性もありますね。しかしあかねに限ってその事に気付かないはずがないので、あかねに憑依したアイへ白いバラを贈ったのでしょう。
つまりカミキヒカルはアイを愛していたことになります。
この時に登場する金田一敏郎も怪しく、カミキヒカルと共犯だと思っています。
・97話で黒川あかねが持っていた白いバラ
アクアの代わりにカミキヒカルに復讐しようとした黒川あかねが持っていた白いバラの本数は7本。
花言葉は「ひそやかな愛」
あかねはアクアに隠れて復讐を決行していたので合っていますね。
アイがアクアへ託したもの
アイから大人になったアクアルビーへのお願いが復讐ではないのだとすれば、アクアへ託したものがあると思います。
アイの願い
映画『15年の嘘』がアイの望みとアクアの復讐が目的で作られた作品であり、アクアの復讐はカミキヒカルを断罪すること。アクアがアイに対して「君の本当の願いを僕が叶えてみせる」と言っていますがアイの願いが復讐ではなく嘘で塗り固められていない本当の自分を知ってもらうこと、そしてカミキヒカルを救うことだと思います。(DVDを見たアクアもそれを知って映画を作ったはず)
『15年の嘘』では、アイが所属していた旧B小町のドキュメント映画の内容も使われる予定なのでアイが世間に隠していたことが暴露されるはずです。
旧B小町のドキュメント映画で暴露されるはずだった内容はアイが母親から虐待されていたこと、母親が捕まって釈放されても迎えに来なかったなどの家庭事情から、B小町メンバー内のいざこざ、芸能界の闇、そして自分の子供やカミキヒカルについて。
そして、アイはドキュメント映画を観て本当の自分を知っても、ファンの皆がこれまで通り自分を愛してくれるか知りたかったのかもしれません。
アイからルビー宛のDVDの内容はB小町メンバー和解のお願い。
旧B小町メンバーは本当のアイを知りながらも見ようとせず、彼女を信奉していたので、メンバーには友達だった頃のみんなに戻ってほしいと願い、自分の力だけでは厳しいのでルビーへ託したと思います。
アイは亡くなる直前に「ルビーは将来アイドルになり親子共演するかも」と夢を語っていたので親子共演で旧B小町メンバーが和解することを考えていたのかもしれませんね。
また、将来ルビーがアイドルグループのメンバーになり喧嘩してもきちんと話し合うことをルビーへ伝えたのでしょう。
そして、親子共演の夢も語ったのでしょう。
芸能界の闇
アイが暴露したいことの一つである芸能界の闇は、カミキヒカルが劇団ララライを退所した時のことや枕営業、裏取引(?)などでしょうか。
『15年の嘘』の脚本を見た鏑木が「下手したら色んな所から訴えられる」と発言していたのでアイが見た芸能界の闇は暗く深いものだったのでしょう。
芸能界の闇などはおまけで、本当の自分を知ってもらいたいから、もし自分が死んだ時は代わりにファンへ本当の自分を明かしてほしいとアイはアクアへ託したと思います。
アクアの復讐
嘘は愛
「ごめんね 私は君を愛せない」の意味を予想
①8話でアイがカミキヒカル(恐らく)と電話をしていた時に、アイがカミキへ「寄りを戻すとかそういう話じゃなくてさ」と現在はカミキを愛してはいないと言っています。
そもそも、15歳でカミキと出会い性交渉をしたのは本物の愛を知るための行動だったと思われます。カミキヒカルの眼の星はアイと同じ様に黒くなっているため姫川愛梨から虐待受けていたと思われるカミキヒカルとであれば心が通じ合うと思いカミキを相手に選んだのでしょう。
アイにとって嘘は愛であり、ファンではなく恋人相手であれば嘘ではない本物の愛を実感できると思ってカミキのことを「愛してる」と思う様にしていたが、それが愛ではなく同じ境遇の人同士の傷の舐め合い(依存)であると分かったため別れたと推察。
アイの言葉「ごめんね 私は君を愛せない」はカミキミカルの本質を見抜いて発したのではなく、カミキに「愛してる」と嘘をついていたことを謝罪しているのだと思います。
ただ、アイにとっては嘘は愛なので、アイはカミキヒカルを愛していたことになります。(訳がわからなくなってきた)
8話では、実はカミキはアイのことを愛していて、アイから連絡があることを喜び寄りを戻すことを期待していたが、先述の通りカミキの提案である「寄りを戻すこと」をアイが拒絶したためカミキは「愛してると嘘を吐かれた」と怒りアイを殺害したのでしょう。
②本当はカミキを愛していたが、恋人がいてさらに子供を妊娠したとなればアイドルを続けることができなくなる上、カミキがアイのファンから攻撃されることを考えて「ごめんね 私は君を愛せない」と嘘をついて別れた可能性もあります。
つまりアイは本当はカミキを愛していた!?
③もしくは、アイが亡くなる前にルビーとアクアに「愛してる」と伝えて、この言葉は絶対嘘じゃないと安心していたので、愛してると思っていたカミキに「愛してる」と伝えて、もしこの言葉が嘘だと自分で気づいた場合立ち直れないと想像していっそのこと「ごめんね 私は君を愛せない」と嘘をついた可能性もあります。
④姫川愛梨が「アイとカミキの間に子供がいると世間に明かす」とカミキを脅したためカミキが心中に見せかけて殺害したのかもしれません。この時はアイや子供を守るための行動でしたが、実際殺害した時に現在の様な猟奇殺人鬼へと変貌したのかも。
片寄ゆらを殺害した際「価値ある君の命を奪ってしまった僕の命に重みを感じる」と発言していましたが、そう考えるようになったのは姫川愛梨を殺した際に生まれた感情と思われます。
姫川愛梨から性加害(レイプ?)受け心が壊れていたのもあるかもしれません。
つまりすべての原因は姫川愛梨です。
アイがカミキと連絡を取ったときに「私達の事情も分かってくれるよ」と言っていました。
これは、アイはカミキが愛梨を殺害したのを知っていて、カミキが自分たち(アイと子供)を守るためとは言え殺人を犯しているため、もし犯行がばれた場合子供たちに危害が及ぶことを考えて星野アイとカミキヒカルは別れたことを意味しているのかもしれません。
「ごめんね 私は君を愛せない」の意味もこれが原因かも。
つまり「アイはカミキを愛していた」が真実になります。
カミキはアイを愛していたが、快楽のため愛よりも価値あるアイの命を奪うことを選んでしまったと思います。
簡単にまとめると「ごめんね 私は君を愛せない」の意味は4パターンあり
①最初はカミキのことが好きだったが、愛ではなく依存と気付いて「愛してるは嘘だった」という発言。
②カミキがアイのファンから攻撃されると思って別れるための発言。
③カミキのことは愛していたが、この言葉が嘘ではないかと不安になっての発言。
④愛しているが、カミキが姫川愛梨を殺害したため一緒にいることはできないため
一方のカミキはアイを本気で愛していたかは不明ですが、片寄ゆらを殺害した際「価値ある君の命を奪ってしまった僕の命に重みを感じる」と言っているので、アイの事も特別な存在とは思っていたのでしょう。
アクアの復讐は決着するのか
不知火フリルが映画『15年の嘘』の台本を読み“星野アイの半生を描いた作品”と捉えながら“アイを殺した人を断罪する映画”でもあると捉えていました。
そして、犯人を断罪するかどうかはアイ(アイ役が)が自分を殺した男を許すかどうかで決まると。
カミキがアイを愛していたと仮定して、自分の愛をアイが拒絶したため殺害したのであれば、映画『15年の嘘』を観て実はアイから愛されていたと知ったカミキが後悔と罪悪感で苦しみ、アクアの復讐は完了。
「アクアはこの作品でお父さんを殺そうとしてる」とフリルが言っているので、カミキはアイを殺害した貝原亮介の様な最期を迎えるのかもしれませんね。
それと気になるのはルビー宛てのDVDですね。
アクア宛てのはドロドロした内容でしょうが、ルビー宛てのはDVDにはカミキヒカルと一緒に過ごして実は幸せだったなど語られるのか…。
黒幕
復讐の完了で『【推しの子】』が完結するとは思えませんね。
神や転生者の話もあるのでカミキヒカルも中盤のボス扱いである可能性はあります。
アクア(ゴロー)とルビー(さりな)を転生させた神がラスボスで、アイ殺害の黒幕である可能性も!
例えば神が芸能界を牛耳る人物だとして、理由は不明ですがカミキヒカルを使って神に関連する人間や転生者を殺していたのかもしれません。
そして、カミキヒカルを倒し芸能界の闇を暴いた報いとして、アクアや彼の周りにいるルビーや映画『15年の嘘』に係わった人達の命を狙うのでしょう。
その正体は鏑木勝也と予想します!
鏑木プロデューサーが紹介した劇団ララライのワークショップで星野アイが恋をしたと語っていますが、鏑木は「その相手が誰かまでは分からない」とアクアに伝えています。
しかし、実は鏑木はカミキヒカルと共犯だが嘘をついていて、アクアとの初対面時に「どことなくアイくんと似た顔つきしてるよね」とアクアを弄んでいた可能性があります。
鏑木が才能を見出し、仕事を与えて活躍して輝いた人物をカミキヒカルが殺害するという流れでしょう。星野アイと片寄ゆらの時もその様な感じです。
110話で映画『15年の嘘』について「これは僕にしかプロデュース出来ない」と語ったのも、星野ルビーや黒川あかねが映画で活躍して一等星の様に輝いた場合、星野アイや片寄ゆらの様に彼女達を殺害する予定かもしれません。
その中でもこの時一番初めに殺害を考えていた相手は、星野アイを憑依させ新人俳優賞を獲得した黒川あかね。『15年の嘘』で鏑木が想定した彼女の役は星野アイでした。その後アイ役は星野ルビーに変わってしまいましたが、『15年の嘘』の撮影でルビーが一等星の様に輝くアイドルになればあかねと共に殺害されるのでしょう。
鏑木もカミキヒカル同様「価値ある君の命を奪ってしまった僕の命に重みを感じる」というシリアルキラーになりますね。
と予想しつつも映画の影響でカミキヒカルと自分が繋がっていると世間にばれて業界を追われる可能性があるので、鏑木勝也は黒幕では無いのかも…。
次号2023年 No.49号は休載。11月9日発売の2023年 No.50号で再開です!
本話掲載本誌
次号
ヤングジャンプ 2023 No.49
Amazon
前回 129話
次回 131話
【推しの子】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
Amazon