原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ 漫画『【推しの子】』153話 ネタバレ感想考察確定の最新情報を紹介します(本編内容引用)
今回は153話の感想と考察。
サブタイトル「フィクション」
【目次】
神木輝(カミキヒカル)
153話で『【推しの子】』最終章『星に夢に』が開幕
株式会社メディアEYES(アイズ)代表取締役神木輝は、姫川大輝そして星野アクアとルビーの実父。
神木に復讐する為、アクアは神木輝にインタビュアーを依頼しました。
神木プロダクションを経営しているので名字は判明していました。
その神木プロダクションだけでなく、メディアEYESという会社も経営していることが明らかに。
EYESは『星野アイ』と『白くも黒くも光り輝く嘘つきの両目』の意味があると思われます。
会社の名前にかつて愛して殺した人の名前を入れたのであれば今も星野アイの事を好きなのでしょう。
カミキヒカルは試写会で映画『15の嘘』をとても楽しく観たとのこと。
綿密な取材に鬼気迫る芝居をする役者達。アクアが書いた脚本も良く、本当に素晴らしい物語だったと賞賛。
しかし、この作品はフィクションだと告げます。
捏造して、誇張して、都合の悪い事はきれいに隠す。
そんなありふれたフィクション。どこにでもあるエンターテインメント作品だと神木輝は言いました。
この髪型はアクアが自分の父親はカミキヒカルと分かる前のものですので、もしかすると最近の重曹ちゃんとのデート後に髪を切ったのかもしれません。
その件については前回記事でご確認ください。
星野アクアタイムリーパー説も考えましたが今回でその可能性は消えました。
フィクション
映画では神木輝と星野アイが恋愛をして気持ちが通じ合っていたように描かれていたが、実際は違って神木輝が一方的に依存していただけと本人が説明。
神木輝から見た星野アイは映画の様に愛情深くなく、本当の自分はもっと愛情に飢えていて、神木輝を愛してなんかいなかったと。
そして、振られた女(星野アイ)に惨めったらしくしがみ付いて、愚かにも逆恨みして殺した。それだけの話とあっさり星野アイ殺害の理由を語りました。
神木輝は性加害に加えて人を殺しておいて「たまにニュースに流れてくる程度のよくある話さ」と言うやばいやつ。
しかも自分の手は汚さず貝原亮介(リョースケ)を操り殺害。
読者は星野アイ殺害の動機について予想し今回正解したと思いますが、まさかこんな簡単に動機が明かされるとは思いませんでした。
メディアEYESの意味に『星野アイ』も含まれ、第8話の電話での会話からも、「ごめんね 私は君を愛せない」と星野アイに告げられ別れて時が経ちアイが子供を出産した後も神木輝は彼女を愛していたと思われます。
アクア宛のDVDにアイが収録していた「ごめんね 私は君を愛せない」は脚本を作っていたアクアは、この言葉を「星野アイから神木輝への決別」と捉え、ルビーも同じように考えていました。
しかし、五反田監督は違う意味があると考えいて、アクアとルビーは本当の意味に気が付きルビーは最後の演技で神木輝を許したと思います。
それを見た上でも神木輝は「星野アイは自分に関心など無かった。許してもいないはず。」と思っているのかもしれません。
ノンフィクション
「僕は社会的に抹殺されるだろう。おめでとう君の本懐も達成出来たという訳だ」と言う神木輝に対して「自分の罪を認めて社会に裁かれるのか?」と返したアクア。
「それ以外に選択肢があるのかな?僕への復讐が彼女の願いなら甘んじて受け入れるさ」
「僕はアイを心の底から愛していたんだから」と星野アイの願いを受け入れた神木輝。
「自分の母親を殺した頭のおかしい殺人鬼に親みたいな感情を押し付けられても迷惑だろうが心から最後に君と話せて良かった」言いアクアの前から立ち去ろうしますが、アクアが彼を止め「このDVDでアイが僕に何を願ったのか、アイのついた15年の嘘がなんなのか本当に分からないのか?」
「この作品はフィクションなんかじゃない」と言いました。
実際に星野アイは「誰かを愛する気持ちが分からない」と言っていたが、死ぬ直前になって子供の星野アクアと星野ルビーに「愛してる」と言いこの言葉が嘘じゃないと気づき初めて愛について知ることができました。
ですので、『愛してる』と気持ちが分からず、こんな状態で神木輝と一緒にいるのは不誠実だと思い彼と別れたと思います。
「ごめんね 私は君を愛せない」の意味についてしっかりと説明しなかったアイにも問題があるのでしょうが、だからと言って殺していい理由にはなりません。
決別
ここからカミキヒカル視点での回想
上原清十郎と姫川愛梨の葬儀で劇団ララライの代表金田一敏郎が「2人はお前の事を大事にしていた。だからお前が背負っていくんだ。2人の命を。生きてるお前がこれからもずっと」と言ったため、上原清十郎と姫川愛梨の遺影と自身の息子である姫川大輝を見て「僕が背負っていかなくちゃいけない……?」と言い絶望する神木輝。
姫川愛梨からは容姿にだけしか価値を認められず求愛を受け続けたため、「愛してる」という言葉が嘘にしか思えなくなり、身体を差し出せば喜んでもらえると思った神木輝は、「それしか知らない」つまり性加害を星野アイに行いました。
自分と同じ境遇の星野アイは受け入れたため、愛してくれて理解し合えたと思った神木輝。
これからもずっと2人で支え合って生きていけばこの重みにも耐えていけると思っていた矢先、「だからうん 私達もう会わない方が良いかなって」と星野アイから告げられ、神木輝の世界が壊れる音がしました。
アイが神木輝を受け入れた理由は、神木輝が性加害の被害者で受け入れなければ彼が壊れると思ったからでしょうか。
そしてアイも「愛」について何か理解できると思ったからですかね。
しかし、アイは結局その後も愛について理解ができず、上記のとおりこんな状態で神木輝と一緒にいるのは不誠実だと思い彼と別れたと思います。
別れれば神木輝が完全に壊れるとアイは理解できていなかったのかもしれません。なにせ「愛」について理解できていないから。
次回154話でアイが「私達もう会わない方が良いかなって」と思ったきっかけやDVDにこめられた想いが明かされます。
被害者に背負わせるのは悪いですが、金田一はカミキヒカルが姫川愛梨から性加害を受けていたことを知らないのでしょうがない発言だったのかも…。
原因
アイが嘘つきになったのは「嘘が本当に」と斉藤壱護社長が言い、その言葉を聞いてアイドルになり、誰かを愛したい愛する対象が欲しかったからです。
人を愛した記憶も愛された記憶も無いアイをアイドルにするため「愛してるって言ってる内に嘘が本当になるかもしれん」と言った所為で嘘吐きの星野アイが形成されてしまいました。
つまり原因は斉藤壱護社長。
アイは斉藤壱護の言葉でアイドルになり
アイドルになればファンを愛せると思った
嘘は愛
嘘はとびきりの愛なんだよ?
「いいな」と思った神木輝と一緒にいれば彼を愛せると思った
心の底から愛してるって言ってみたくて、愛してるって嘘を振りまいていました。
そして、母親になれば子供を愛せると思ったが、子供達に愛してると言ったことがなく、その言葉を口にした時にもしそれが嘘だと気づいてしまったら怖いから、アイは嘘が本当になる事を信じて嘘を吐き続けます。
そして、その代償は死として訪れて、最期に愛していた気持ちが嘘ではないと気づくことができました。
理由は告げず「私達もう会わない方が良いかなって」「ごめんね 私は君を愛せない」とだけ言ってしまったため、神木輝自身が語ったように星野アイから愛されてなどいなかったと思い、逆恨みしてアイを殺害しました。
カミキヒカル視点のアイと本当の星野アイ
「星野アイは映画の様に愛情深くなく、自分を愛していなかった」と神木輝は語っていましたが、それはあくまで神木輝の感想であって星野アイの気持ちではありません。
本当のアイは作中の映画撮影などで描写されましたが、まだ描写されていない映画のシーンがあります。
それこそがアイが神木輝と別れた本当の理由であり、彼女の本当の願いです。
「星野アイは映画の様に愛情深くなく」と言っていますが、いつか「愛」を理解できると思い他者を愛していたので星野アイは愛情深かったと思います。
先述のとおりアイは「嘘が本当になる」「嘘はとびきりの愛」と信じていたので、誰にも愛を感じていないが神木輝に「愛してる」と言ったのでしょう。
その言葉がさらに神木輝を依存させ、アイも依存。共依存になっていた可能性もあります。
しかし、アイはアクアとルビーに抱いて「本当に神木輝を愛しているのか。この気持ちが嘘だと気づいてしまったら怖い」と気持ちもしくは「愛について分からないのに神木輝と一緒にいるのは不誠実だ」と思い、境遇にあった人だから大切な人だから神木輝と別れたと思います。
共依存であれば脱却を図っていたのかもしれません。
星野アイの本当の願い
星野アイの願いを「自分の罪を認めて社会に裁かれる」という復讐だと思っている神木輝ですが、答えは違うはずです。
神木輝も被害者であり、自分が嘘をついたこと、きちんと説明せず別れたことで神木輝は壊れたと星野アイは思っていたはずです。
つまり、星野アイの本当の願いは「神木輝が救われること」です。
その割には電話で塩対応でしたが。
星野アイにとっての支えがアイドル活動であったのに対し、神木輝の支えは星野アイだったのに自分は神木輝から離れしてしまったことも後悔しているのかもしれません。
そして、神木輝をこのままにすれば、姫川愛梨やその前から続いた負の連鎖が今後も続くと思い、断ち切るために神木輝を改心させるという願いもアクアに託したのでしょう。
今後の展開
今後の展開は
映画はアイ視点で描かれており、今回アクアがフィクションではないと教えたため、自分が愛していた女性アイは自分を愛していたもしくは拒絶していなかったと気付き、「なぜ殺してしまった」と神木輝は後悔するはずです。
「救われてほしい」というアイの願いとは逆に神木輝があっさり自首(出頭)するか、自殺するかで終わるかもしれません。
もしくは星野ルビーを殺害するとか。
しかし、母アイ以上に輝くかもしれないルビーを見るため、自首し罪を償うのが一番すっきりする展開かなと思います。
そして、星野アイの本当の気持ちを知った神木輝は目の星が黒いから元の色に戻るのでしょう。
リョースケとの話はあっさり終わりそう。
そして、問題は星野アイ信者のニノ。
星野アイの娘であるルビーがアイ以上に輝くことを神木輝は期待していますが、ニノはたとえ娘のルビーであろうと星野アイを超える存在の出現は許していませんので、ルビーをナイフで殺そうとするのかもしれません。
しかし、ルビーを神木輝がかばい死亡。といった展開になる可能性もあります。
小説『45510』の語り部であり、アイの信者の正体がニノであれば逮捕されていないようなのでルビーを殺人未遂の展開はありません。
それから、星野アイから星野ルビー宛のDVDの内容が明かされていませんが、「芸能界で嫌なことがあったらしっかりと拒否して事務所に相談すること」や「実はアクアとルビーが転生者であることを知っていて(雨宮吾郎と天童寺さりなであることは分かっていない)、応援してくれたことへの感謝」を遺しているのかもしれません。
このままの結末を迎えてしまえば最終章に突入した『【推しの子】』は2024年内に完結しそうですが、その後裏ボスの人間か神が出現しアクアとルビーらで倒す展開があれば2025年で完結しそうです。
しかし、最終章のタイトルが『星に夢に』なので裏ボス展開はなく、アクアとルビーの前世である雨宮吾郎(ゴロー)と天童寺さりな関連の話、芸能界でがんばっているみんなの様子が描かれて平和に2024年で終わりそう。
休載があれば2025年までいきそうですが。
2024年11月28日に実写ドラマ、2024年12月20日に実写映画が公開されるので2024年内に原作漫画が完結するかもしれません。
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